被相続人の財産は原則として法定相続人が相続します。孫は代襲相続でない限り、原則として相続権がありません。しかし、孫に財産を渡したいとご希望の方のいるかと思います。
孫に財産を渡す方法としては、(1)遺言書に記載する方法、(2)孫を養子にする方法があります。
(1)遺言書に記載する方法
生前に遺言書を作成し、そこに孫に財産を相続させることを記載することで孫に財産を渡すことができます。相続権のない人に財産を渡すことを遺贈といいます。孫に限らず遺贈をすることで法定相続人以外にも財産を承継させることができます。例えば、法定相続人になっていない兄弟姉妹に承継させることも可能です。遺贈の場合、通常の相続と違う点は相続税額が変わります。法定相続人以外に財産を承継させる場合、その財産分の相続税額が法定相続人が相続する場合の1.2倍になります。通常の相続税額が100万円だったとした場合、遺贈のときは120万円となります。
この1.2倍になることを多いとみるかどうかはその相続財産や相続人の関係により変わります。
(2)孫を養子にする方法
孫を養子にすると実子と同じく法定相続人として相続税上の効力が発生します。
養子にするための手続きなどが必要ですが、節税のメリットもあり、有用な方法ではあります。孫が法定相続人になることで相続税の基礎控除や生命保険金の非課税分などが増えます。ただし、これは実子がいる場合には、養子1人目だけです。2人目からは法定相続人にならず、税務上のメリットはありません。また、養子縁組した孫に相続させる場合には、(1)と同様にその相続する財産分の相続税は1.2倍になります。
以上を考えると、孫に財産を渡すことを目的とする場合には、生前に対策を立てるほうが税務上はいいかと思います。
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